「七・五・三」という言葉をご存じでしょうか。ここで言うのは、当然お子様の成長を祝う年中行事ではありません。数字につく単位は「歳」ではなく、「割」です。「小学生では7割、中学生は5割、高校生になると3割しか勉強について行けない」ということを意味しています。つまり、中学生の半数は15歳の時点で先がある程度限られてしまっていると言うことです。当然、「行きたい高校」ではなく「入れらる高校」に進むことになります。
令和2年度からは、「私立高校授業料の実質無償化」が始まりました。これにより、私立高校と公立高校の金銭的な障壁はかなり低くなったと思われます。結果として、それぞれの高校の「校風」「授業内容(先生の質)」「進路実績」「行事」や「部活」「設備」や「立地条件」などの中身で進学先を選ぶことができるようになります。人気のある高校はますます人気が出て難易度が上がる一方、少子化が進み受験生が減っていく中で、そうでない高校は、受験者や入学者がへり、存続自体が危うくなるかもしれません。受験生も「高校を選ぶ人」と「高校から選ばれる人」に分かれてしまいます。
「高校を選ぶ人」の側になり、「行きたい高校に行く」ためには早めの対策が必要です。だからといって、塾に行ったり、家庭教師に来てもらったりすることではありません。「今のお子様の状況(実力など)」を知ることです。具体的には、まず「学習内容の理解度」です。これを知るには、学校の「定期テスト」やフクトなどの「実力テスト」の結果を見ることです。フクトは学校の実力テストでは偏差値が出ないので、公開実力テスト会を受けに行くことをお勧めします。ここで問題があれば、できるだけ早く対処することです。残りの時間が短くなるほど挽回するのは難しくなります。次に、問題があまりなさそうな場合は「家庭学習の状況」です。これには、保護者の方がお子様を見守る目が必要になります。しっかり気にかけていれば自ずと見えてくるものです。家庭学習ができていない場合は、学年が上がるにつれて過去の学習内容を忘れてしまったり、難易度が上がるとついて行けなくなることが出てきます。以上2つが主に確認したいことですが、お子様の将来の「希望進路」によって、それぞれの及第点も変わってきます。つまり、将来どのような「職種」に就きたいから、どのような「高校卒業後」の進路が必要なので、どこの「高校に進学」すればよいかということで、その「高校に合格できる学力」が分かります。まとめると、「今の状況でその学力があり、今後その学力が維持できるか」と言うことです。
この後の方向は、現在のお子様の状況で大きく4つに分かれます。
①「どちらも満足でき、問題があまりない」
②「今の学力は大丈夫だが、今後が不安である」
③「今の学力に問題があるが、それなりに頑張ってはいる」
④「今の学力に問題があり、家庭学習もできていない」
の4つです。このそれぞれにおいて、「塾や家庭教師などの対策をとる」または「特別な対策もとらない」という2つの道があるでしょう。つまり、今のお子様が置かれている状況に応じて、8つの道に分かれると言うことです。では、対策をとる4つの道でどのような対策をとるといいのでしょうか。考えられるのは、
㋐「個人的に家庭教師を頼む」
㋑「派遣業者などを介して家庭教師を頼む」
㋒「個人経営の個別指導塾に行く」
㋓「フランチャイズの個別指導塾に行く」
㋔「地場大手の個別指導塾へ行く」
㋕「株式上場の大手塾の個別指導部門を受講する」
㋖「個人経営の集団指導塾に行く」
㋗「フランチャイズの集団指導塾に行く」
㋘「地場大手の集団指導塾に行く」
㋙「株式上場の大手塾の集団指導部門を受講する」
㋚「親や兄姉などが教える」
など、ざっと挙げてもこれだけあります。それぞれ、具体的な名前を挙げるとわかりやすいのですが、さすがにそれは問題がありそうなのでやめておきます。でも、問い合わせていただけたらお教えしますよ。それから、ここには挙げていない、「すごく有名だけど分類しにくい塾」が一つあります。では、「自分のお子様にはどれがよい」のか、それとも「ここにはない」のか、又は「ここにある複数の組み合わせが必要」なのか。とても気になるところです。このように、お子様の状況をしっかり把握し、最善の方法を探し出すのは実は結構大変なのです。学年や進路の希望に応じてどれを優先させるかによっては、他の習い事や部活動などもどうするか考えなければ行けません。
「でっ、結局どうすればいいの」という声が聞こえてきそうで怖いのですが、医者が自分で検査も問診もしていないのに、患者や家族の申し立てだけで診断を下すことができないように、我々もお話もチェックもしていないことでそのような判断は難しいと言うしかありません。大まかな道は示せますがそれでは意味がないでしょう。というわけで、信用できると思う専門家に相談することをお勧めします。当塾にお問い合わせいただけるのなら、もちろん状況をお聞きした上で、いくつかのことを教えていただきながらお話しすることはできます。まずは、保護者の方が何かしらの行動を始めて、次に進む道を模索することが大切です。後は、保護者の皆様の賢明なご判断と適切な行動をお待ちしています。